#19 メトセラの遊戯
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「常守朱にメールを送ったのは、アンタじゃないんだな?」
「知らないわよぉ…。も何なのよコレ、何でアタシこんな処にいるのよ!」
「アンタを捕まえて、ここに連れてきた奴がいる…何も覚えてないか?」
「分からない……。夕べは残業片付けて帰ったら、お風呂入ってベッドに直行で…目が覚めたらもうここにいたのよ…どういうこと?」
頭を抱えた船原に、眉根を寄せる。
「アンタは常守監視官を釣る為の餌にされたらしい。いや…」
言葉を切り、先程の通話記録を呼び出す。
<地下鉄路線です。車両を捜索して下さい。――破棄された地下鉄路線です>
「朱の声?」
「よく出来てるが、サンプリングから合成した偽物だ。…地下に入ってくるのが彼女じゃなく、代理の誰かだと最初から予想していやがった…」
会話ではない。
思考を追いかけるつもりで、あえて声に出す。
「目当ての獲物は、常守じゃない。」
言い切った瞬間、得体の知れない感覚が身体の奥底から湧き上がってくる。
――狡噛さん
向かい合った自身の影が形を変え、意識の中でその姿をとる。
感じるこれが
久方振りに感じるこれが戦慄だと理解した途端、より明確になる。
強い意志を込めた瞳の中からこちらを見る自分を、見返す。
「俺なのか……?」