#02 成しうる者
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<エリアストレス上昇警報。足立区、伊興グライスヒル内部にて規定値超過サイコパスを計測。当直監視官は執行官を伴い、直ちに現場へ直行して下さい。>
思わず足を止めて上を見上げ、内心で朱ちゃんにエールを送ってからまた、無機質で無愛想な廊下を行く。
今日の当直執行官は確か征陸さんと――
誰が穴を埋めるのかなぁなんて思いながら、開閉ボタンに手を伸ばした。
『失礼します。分析官の唐之杜志恩さんはこちらに…』
「はいはい、今日は人気者ねえ。」
思わず凝視してしまいそうになった視線を、無理矢理引き剥がす。
『昨日付けで刑事課に配属になりました、佐々山光です。』
「ああ、来た来た~蹴った方~!」
蹴った方…と撃った方、か。
「今度は思ってたよりずっと綺麗な子ぉ、顔に似合って派手なことするわねえ。」
何と返せば良いのか分からず、とりあえず歩を進める。
「さっきまで朱ちゃん来ててねぇ~あ、貴女も慎也君のお見舞い?」
「ちょっと待ってねえ~」と流れるようなタッチでコンソールを操作された正面モニタに映る、医務室の映像。
ベッドの上で眠るその顔は当たり前だが、安らかとは言えない。
『………』
「今朝方意識は取り戻したんだけどね。まぁ脊髄にイイ感じで直撃かましてくれたからねぇ~まだ本調子ってわけにはいかないわ。立ったり、喋ったりは…ちょっとね。勿論、ベッドのお供も無理。」
『……そ…れは…残念。出直すことにします。』
「あははっ」と楽しげに笑った唐之杜さんが椅子ごと向き直るのを見て、何故か反射的に身が引けた。
「そうね、それがいいわ。今日一日安静にしてれば後遺症も抜けるから。また、明日の朝にでも。」
『…はい…失礼します。』