#19 メトセラの遊戯
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
嵌められた――
繰り返される応答に舌打ちし、両腕に力を込める。
先程遠くから響いてきたのは恐らく、気密扉が落ちた音だ。
そして行く手に見えるトンネルの両側から次々流れ込んでくる汚水はすでに自分の背丈をとうに越えている。
痛みさえ感じる程に吹き付ける風と走行音から逃れるように車両内へと飛び込んだ瞬間、背後で扉が閉まった。
「!」
後ろ手に縛られ、運転台に座らされているネグリジェ姿の女。
頭に被せられていた袋を取り去ると、濁った目がこちらを映す。
「――っ」
「安心しろ。公安局の刑事だ。」
途端パニックに陥って暴れ出すのに懐を探り、公安局のIDを見せる。
涙の溜まった大きな瞳を見返し、膝を伸ばす。
「アンタは。」
「…船原ゆき、です…。」
力ない声に内心でひとつ息を吐き、結び目に手をやった。
「常守朱の友人?」
「朱を知ってるんですか?」
類は友を呼ぶ。
そんな大昔からの格言を思い出しながら、口を開く。
「同僚だ。」