#02 成しうる者
夢小説設定
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「………」
一人は携帯ゲームと、一人はイヤフォンを装着して楽譜と睨めっこ。
若干の苛立ちを感じながら、止めていた指を動かし始める。
「……あれ……」
強めにキーを叩いてみるが、何の反応も無い。
「あのう…」
ピローンピコーンと懐かしい音をたてている背中に、声をかける。
「ん?」
「すみません、タブレットって他にあります?」
「備品の予備は狡噛執行官が使用中でぇ~す。」
「あでもその…狡噛さんは……」
スライドしてきた椅子が止まり、くるりと回転する。
「パラライザーで撃たれて治療中でぇ~すぁだっ」
勢いよく振り下ろされた雑誌を置いたその手が、自身のタブレットに添えられる。
「これ、使って。」
「は、はい!」
こちらを見上げる相変わらず表情の読みにくい瞳に笑みを浮かべたその時、ドアのスライドする音が響いた。
「ワリーワリー遅くなって。」
肩にコートを引っ掛けて入ってきた征陸さんの目が、こちらを見る。
「てあれぇ、今日の宿直ってお嬢ちゃん?」
「ああっ、はい。」
「昨日の今日で大変だねぇ。まあ平和な一日になるよう祈っ
覚えたのは危機感と言うより、最早恐怖に近かった。