#18 碧の福音
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中身の詰まりまくったダンボールを下ろして吐いた息に、埃が散る。
『何で今証拠品倉庫整理なんか…』
思わず零れた呟きを追いかける、より重たそうな、溜息。
「見れば分かるだろ。広いのを良いことにろくに整理もせず放り込んできた結果が出たから、だ。」
ドサリと音をたてて置かれたあちらのダンボールから覗くガラクタ…否証拠品は成る程バラエティに富んでいる。
額に浮いた汗を拭って不快そうにネクタイを緩める狡噛さんを見ながら、手近くな箱に腰掛ける。
そして言うまでもなく、唐之杜さんの姿はいつからか当然の如く、ない。
『あー、疲れた。』
持っていたダンボールを放り出し、床に座り込んで後ろ手をつく。
「サボるな。」
髪をひとつに結わきなおし、傍の箱から年季の入った瀬戸物を摘み上げる。
『………本当に仲、良かったんですか?』
これももしかして、撲殺とかに使われた凶器なのだろうか。
しばし動きを止めてこちらを見ていた狡噛さんが向かいに投げてある空き箱に腰掛けるのを見て、今度は薄汚れたクマのぬいぐるみに手を伸ばす。
「……逆に聞こう。上手くやれてたと思うか?」
『いえ、全然。』
「だろうな」と続いた苦い笑みに、思わず笑う。
『むしろ逆?』
「ああ。」
『やっぱり。』