#17 Would you please listen to me?
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――今回の事件も、同じ人物が関与していると思いますか?
あの時狡噛さんが、探そうとしたモノ。
こちらを覗くその姿にあの人はあの時きっと、気づいた。
だけどそんなのは
言ってくれなきゃ、わからない。
何を――
重ねた指を伝った涙が、ぴくりとも動かない手に落ちていく。
言ってくれても、わからないくせに。
ずれかけた奥歯を無理矢理に合わせた、時。
「………」
ともすれば不思議そうな色の浮かぶ大きな瞳に、顔が歪む。
『私も…違うんだよ…朱ちゃん……そんなつもりじゃなかったの…』
それでも
『ごめん…でも――』
重ねられた掌から感じる熱に、息を吸い込む。
これで
浮かべた表情に変わっていく、その貌に。
これで、いいんだって。