#17 Would you please listen to me?
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放った声が、無防備な色に、落ちていく。
その軌跡を見届けた頭に蘇るのは、あの日の自分。
――…ママ…?
飛び出して、数時間ぶりに帰宅した家。
澄んだ光の中に浮かぶ歪なシルエットを見上げながら、病院でも警察でもなく、あろうことか仕事に行ったらしい父親の番号を選んだ私も多分、どうかしていた。
『………………ごめん、こんな話。』
重なって、逃げて。
逃げて、重なって。
非力な強さを保つ、術。
顔を落として、肩を震わせる朱ちゃんに何の考えもないままに口を、開きかける。
そうして懲りもせず、伝わる熱に反射的に引きかけた手に零れて落ちた、雫。
『……朱ちゃん……』
どうして
「……違うの…ごめん……違うの…」
ねぇ、どうして?
解らないけれどそれでもその、[違う]という、そのことが。
「…違うの…」