#17 Would you please listen to me?
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「あいやっ、その、言ってることが似てるって意味で…」
慌てて両手を振る朱ちゃんに、肘をつく。
『フォローになってないけど。』
うっと言葉を詰まらせるのに笑い、椅子の上で膝を抱えた。
『朱ちゃんはさ、お婆ちゃんっ子っぽいね。』
「!それ、雑賀先生にも言われた…。光ちゃんも、先生と同じことが出来るの?」
『まさか!基本的なやり方は教わったけど…全然。ある程度まで推測しようと頑張るんだけど、結局最後はめんどくさくなって勘に頼っちゃうの。初めのうちは真面目にやれって怒られたけど、元々向いてないのは分かってたからって匙投げられた。』
「狡噛さんは、プロファイリングソフトみたいなもの自分で作ってるみたいだったよ。もどき、って言ってたけど。」
『あの人は、私と違って昔は優等生だったらしいよ。今も、きっとそこは変わらないんでしょ。』
サイコ=パスの犯罪係数が規定値を越えたというコトはつまり、その人をその人たらしめていた何かが完全に崩壊、もしくは消滅してしまったということなのだろう。
でもそれはあくまで何か、であって、全て、ではないのだ。
それが例えその人にとって、最も大きく、大切なものであったとしても。
「光ちゃん?」
いつの間にか伏せていた目を上げると、朱ちゃんの顔に浮かんでいた気遣うような表情がほっと緩んで、笑顔になる。
「光ちゃんは?お婆ちゃん子?」
『………ん、多分。そうだったかも。』
遠い昔に嗅いだ潮の香の記憶が今はもう微かで、優しい。