#17 Would you please listen to me?
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「待て!止まるんだ狡噛!!」
「狡噛さーん!!」
後ろからやかましく叫びながら追いかけてくるギノと常守に、舌打つ。
こんなに大っぴらに行動していたら、ホシに気づかれちまう…っ!
「雨で服がぁ!」という常守の声を背後に置き去りにして角を曲がった瞬間、すぐ脇の店の屋根に唐突に佐々山が降り立った。
ジャンパーの裾を翻してすっくと立ち上がるのに目を見開き、たたらを踏む。
「……お前……!」
『何止まってんですか!早く追いかけないとっ』
言い終わる前から駆け出そうとするのに、慌てて腕を伸ばして襟首を掴む。
露になったうなじと肩口にぎょっとし、真冬という季節柄と加えて雨が降っているにも関わらず耳朶がかっと熱くなるのが分かった。
「…なんで…なんで下着てないんだお前!!」
『下!?』
眉間に皺を寄せて応えた佐々山が、自身を見下ろし『ああ!』と何故か力強く頷く。
シャッと勢いよく上げられたジッパーが、意外と女らしい趣味の下着を隠した。
『呼集かかった時、もう完全に就寝3秒前だったんです…!近所だし…タクシー捕まえればすぐだからいっかと思って!!』と水を跳ねさせて行くのに並びながら、口を開く。
「――!そんなおおざっぱなことでいいわけないだろう!!」
『狡噛さんに言われたくありません!』
「んなっ……!」
言っても無駄なことに加え、そんな場合でもないと割り切って顔を前に戻す。
『っこれじゃ逃げられる!狡噛さん、こっち!!』
「~!」