#17 Would you please listen to me?
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「えええっ」
『お、わっと。』
すぐ近くにいた光ちゃんにぶつかり、反射的にそのジャンパーの袖を掴む。
「こっ、この手触りって…」と顔を引き攣らせながら口にすると、皆の視線が狡噛さんに集中する。
「こ、狡噛さん…?もしかして……」
その眉間に微かに寄っていた皺が解け、「ああ」と納得顔になった。
「俺もコスデバイスを使ってる。以前ならこの程度の寒さ、どうってことなかったんだがな。」
『…ちょっと待って下さい、狡噛さん。』
「じゃあお前…この寒空の下、ずっと「あ」
なんとなくうすら寒い空気を、六合塚さんの声が割った。
「静かに。ビルから容疑者が出てきました。」
「ついに動き出したか。よし、追うぞ。来い、佐々山!」
『ええっ!?』
異論を唱える間もなく室内から駆け出ていく背中に、光ちゃんが持っていたあんぱんの袋をポケットに突っ込む。
「あっ、おい狡噛!」
『追います!』
言うなり窓から身を躍らせた光ちゃんに、「正面から行く!」と身を乗り出して叫んだ宜野座さんが、踵を返すのに習う。
「全く…一体何を考えてる…。」
「たっ、大変です宜野座さん!雨が…!」
建物から出た途端鮮明になった雨音とその匂いに目を、見開く。
「ふん。アイツらなら、多少雨に濡れてもどうってことあるま「違いますよ!雨の中だとコスデバイスのホロが役立たずになっちゃいますっ!!」