#17 Would you please listen to me?
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「鍛え方が足りないんじゃないのか?」
「狡噛」と続ける宜野座監視官に、内心で息を吐く。
「…ほーお?」
「下さい、あんぱん。」
「え」
『無理しないでいいですよ、六合塚さん。』
「いえ。お腹、空いてますから。お二人もどうぞ。牛乳はお薦めしませんが、あんぱんは確かに力になります。」
パチパチと大きな瞳を瞬いていた二人が顔を見合わせ、またこちらを見上げる。
ややあってこくりと頷いてそれぞれあんぱんを手に取る様を見て、思わず和んだ。
「なっ、何をする狡噛!俺のコスデバイスに触るなっ」
夜のビル街に不似合いな電子音がした方を、あんぱんを齧りながら振り返る。
「あ…宜野座さん…ダウンジャケット着ている上からホロでスーツを投影していたんですか?」
見も蓋も無い常守監視官の言葉に、宜野座監視官がぐっと口を結ぶ。
「ギノ、誰の鍛え方が足りないって?」
『てか、やっぱちょっとそこカチンとキてたんですね…。』
もぐもぐと口を動かす佐々山監視官を一瞥した狡噛が、明後日の方を向く。
「…っ…野外で張り込みをするのが分かっているなら、それなりの準備をしてくるのが当然だろう!」
先のやり返しといった風に短く嗤った狡噛に、手にしていたビニールを軽く奪い取られる。
「ま、確かにお前の言う通りだ。非常呼集に慌てて服を着てこなかった俺が悪い。そういえば佐々山、お前も今日待機じゃなかったか?」
「服を着てこなかったって…狡噛さんちゃんとスーツを着てるじゃないですか。」
そう言いながら、ポスッと軽く突っ込みを入れた常守監視官が次の瞬間、その手を引いただけでは飽き足らず、後ずさる。