#16 琥珀色の記憶
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太陽の光にちらちらと煌く、通りの緑。
連日身を置いている場所が薄暗いだけにその眩しさがとても、貴重で美しいものに思えた。
『………』
王陵璃華子は消されるか、消えるか…その程度の手品は容易く使える相手だ。
どちらにせよ彼女がこの日の元に再び出てくることは恐らく、ない。
彼女からマキシマに辿り着くことは、もう、出来ない。
しかし
――いずれ、また
あの時聞いた声が、鮮明に耳に蘇る。
以前扇島で遭遇した時とは全く別の感情を抱かせる、笑み。
――あまりに古い記憶や、短すぎる接触時間では成果は望めない。
…かといって投与する薬品や外部刺激レベルの強度を上げれば、今度はサイコ=パスがダメージを受け、係数が上がる可能性も高まるだろうな。
土壇場で臆した理由はもう、どれが一番か分からない。
こうなる事を予想していたのだろう。
『……教えてくれた時点で、疑うべきだったな……』
でも多分、私も。
きっと、どこかで。
自然光で輝く街を見下ろし、遠くを行き交う人々をなんとはなしに見やる。
約束をすっぽかした上、深夜に意味不明な電話。
さぞかし迷惑だったろうと、今になってもまだどこかぼんやりと思っているとインターフォンが鳴った。
感心も気力もなく、ほんのりと熱を持った手すりに体を預けていると、ガチャリと錠の回る音がして一気に覚醒する。
『―――っ!!?』