#16 琥珀色の記憶
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「あれ、朱ちゃんはァ?」
能天気なその声に顔を上げ、また戻す。
「そんな事より、お前は一体どこへ行っていた?」
「え、あー…ちょっと外の空気吸いに「30分以上もか!?」
「え~?だって珍しく事件もないしー…平和な一日じゃないスか~。」
「事件がないことと我々の職務時間にはなんの関係もない!大体お前!この間の芝浦埠頭の報告書…」
くどくどとやかましく始まった説教を横目に息を吐き、くるりと椅子を回転させる。
「監視官命令でちょっとドライブって…職権濫用じゃないですか?」
厚い肩を揺らして笑った征陸が持っていたコーヒーを置いて、山になった資料に手を伸ばす。
「そう言ってやるなよ。小一時間もすりゃ戻ってくるさ。」
「………。」
「なァ、監視官!」
返ってこない返答を気にする風でもなくペラペラと紙を捲るその背をしばし見つめ、小さく床を蹴る。
「なになになになに?どっか行ったの朱ちゃん?と…コウちゃん?」
「お前は仕事をしろ!縢!! 」
「……へいへ~い。」
口を尖らせて隣の椅子の背を引くのには目を向けず、ホロ画面内に羅列される文字と向き合う。
「…芝浦埠頭って、もう3週間以上前のヤマじゃない。」
「だから何だよ。」
「…別に。」