#16 琥珀色の記憶
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艶のある笑みに目を伏せ、口元だけで、同じ様に返す。
「……あのね慎也くん、怒らないで欲しいんだけど。」
「…話を聞かせる前から、随分高望みな相談だな。」
横目でその顔を窺い、息を吐く。
「…わかったよ。聞こう。」
「んと、正確には怒らないであげて欲しい、んだけど。」
煙と共に吐かれた苦笑に、視線を合わせる。
「昨日ね、光ちゃん、ラボのメモリースクープを使おうとしたの。知ってるでしょ?記憶にある視覚情報を脳波から直接読み取って映像化する…。」
「ああ、ちょっと待て、まさか……」
「よっぽど会いたかったんでしょうね、件の彼に。あた「あのバカ……!」
罵声と共に叩きつけた拳が、灰皿を盛大に跳ねさせる。
「…やらせたのか…?」
「そんな怖い顔しないでよ!もぉ……止めたの、自発的に。」
「あの子」と続いた溜息に混じって、紫煙がなびく。
「起動スイッチ握ったまま、一人で一晩。呆れたわ。」
そんな顔は
「…意気地がないのよ。やっぱり、兄妹ね…」
多分、初めて見たな。