#16 琥珀色の記憶
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「……くそ…。」
ちっとも捗らない仕事に見切りをつけることに決め、デスク上の煙草に手を伸ばす。
ジジッと鈍い音をたてて点った火を眺め、一息。
椅子の背が悲鳴を上げるのに構わず、深く体を沈ませた、時。
「やっほー。」
「………。」
気だるい雰囲気を纏った女だが、実は一係メンバーの内、一番元気…否騒々しい女。
「なんか大変だったんだってぇ~さっき~。弥生に聞いたよ~…って」
こちらの態度が気に食わなかったのだろう、白い顔の中で柳眉が寄った。
「何よその目は。」
「…何でもない。それよりそっちこそなんだ、何か用か?」
灰皿に煙草を押し付けながら問いかけ、顔を向ける。
「ん、あいやね……最近慎也くんとあんまり話してなかったなーなんて思ってさ。」
そう言って手近な椅子を引くのにひとつ瞬いてから、ライターを投げる。
「ありがと。」
「どういたしまして。」
小さな笑みの後を追って昇った紫煙が、目の前を過ぎっていく。
「…佐々山、どうしてるだろう。」