#16 琥珀色の記憶
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「結局、雑賀教授の受講者名簿は空振りでしたね…。」
「仕方が無い。だが槙島が生きている人間である以上、必ずどこかに足跡がある。」
通路から響いてきた会話に、顔を上げる。
立ち上がり、迷いなくこちらへと歩いてくるその目を真正面から、見返す。
「常守監視官を雑賀譲二に引き合わせたそうだな。」
「…ああ。」
「それは私が紹介を頼んで「どういうつもりだ。」
口を噤んだ常守の視線を感じただ、今目の前の人物の、その奥底にだけ、集中する。
「彼女を巻き添えにしたいのか。」
それがどれ程の労力を
「貴様と同じ、道を踏み外した潜在犯に。」
意思を要する行為か、知りもしない。
「ちょっと待って下さい!私を子ども扱いしてるんですか?」
「事実として君は子供だ!右も左も分からないガキだ!!」」
声を荒げ、打たれたように目を見張るその顔を見下ろす。
「何の為に監視官と執行官の区分けがあると思う?健常な人間が、犯罪捜査でサイコパスを曇らせるリスクを回避するためだ。」
移した視線に映るその横顔を見る、ただそれだけの行為がどれ程
「二度と社会に復帰できない潜在犯を身代わりに立てているからこそ、君は自分の心を守りながら遂行できるんだ!」
どれだけ苦痛か
分からないのか。