#02 成しうる者
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<如何ですか?>
滑らかな電子音声に目線を下げ、トレイに載ったケーキを見やる。
『いい、ありがとう。』
シュー生地にクリームとピンクの星が飾り付けられたそれは、まず見た目からして好みではない。
風の吹き抜けるオープンテラスのそこかしこに見える客は、ほとんどが同年代の女子。
息を吐いて踵を返そうとした時、背後から名を呼ばれた。
「光ちゃん?」
『……あ!』
振り返って見たショーケースのその向こうに声の主をみつけて手を上げ、足を踏み出す。
「今日終日オフだったよね?」
『うん。だからちょっと、東京観光。』
笑みを浮かべて「そっか」と頷いた大きな瞳が、同じテーブルに座した友人達の方を向く。
「あ、えっとね同期の佐々山光ちゃん。」
『初めまして、佐々山です。』
「水無瀬佳織です。」
「舩原ゆきです、初めまして。」
「二人とも学生時代からの友達でね、今日は……昨日のことを…その、早速…」
恥ずかしげに頬をかいた朱ちゃんに笑い、顎を引く。
「いいなぁーオフ…」
向けられた視線に肩をすくめ、椅子の背に手をかける。
『でも私も今日行こうと思って。職場。』
「え、なんで?」