#15 楽園の果実
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「幼児期、高齢者と長く過ごした人間ほど、ホロアバターの人工知能と良好な関係を築くことが多い。そのパターンに常守さんも当てはまっている。」
「あ、あの…」
「相変わらずですね、雑賀先生。」
面白そうに顔を緩めたかつての師に、笑う。
「どうやったんですか?」
「ただ観察しただけさ。人は無意識の内に様々なサインを発している…コツさえ覚えれば、簡単にそのサインを読み取れる。」
立ち上がってコーヒーを飲むのを見て、自分もカップに手を伸ばす。
「雑賀譲二先生…専門は臨床心理学……」
「精神鑑定や捜査協力なんかをしている内に、いつの間にか犯罪の研究に主軸が移ってしまったよ。」
「今日は二つ、お願いがあります。」
窓外の風景を愛でるように目を細めた横顔に、口を開く。
「何でも言ってくれ。」
「一つは、こちらの監視官に短期集中講義を。」
「プロファイリングとか時代遅れの方法ってことになってますけど、すごく興味があって…!」
その一瞥を受けた常守が言葉を切り、視線を下向ける。
「てゆうか、最近興味が出てきて……」
「こんな世捨て人に有難い話だよホントに。」
「んで、もう一つは?」という問いかけに、視線が知らず、強くなった。
「先生が保管している、今までの受講生名簿を見せて下さい。」
「…それは公安局からの要請かな?」
「いえ、個人的なお願いです。」