#15 楽園の果実
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<本日は全身サイボーグ化のパイオニア、地下再開発を進めている帝都ネットワーク建設の会長、泉宮寺豊久さんにお越しいただきました。>
「佐々山、これ今日の事件の報告書。」
『あ、了解でーす…相変わらず仕事、早いですね…。』
<宜しくお願いします。>
<医療目的のサイボーグ技術は、私達の生活にすっかり馴染んだものとなりました。しかし泉宮寺会長のように脳と神経系以外全てをサイボーグ化した例はまだまだ珍しいもので<不思議なんですよ。>
<何故皆早く、不自由な肉体を捨ててしまわないのか。>
<不自由…ですか?>
遠慮がちに問い返すリポーターを見上げながら、銜えた煙草にライターを近づける。
<肉体は魂の牢ご
突如として落とされたホロに眉を寄せた瞬間、ふわりと匂いを含んだ風が通り過ぎる。
『プラトンきたら、注意した方が良いですよ。』
『お先でーす。』と続くのに六合塚と目を見合わせ、同時に見やった時計の長針が、ぴたりと収まる。
「……常守とは、大違いね。」
珍しく笑みを含んだその声を聞きながら、ドアをくぐる。
まだビル内だと言うのにヘッドホンを装着しようとしているその背中。
「…佐々山!」
『はい?』
振り返った顔に目を泳がせ、途端見えなくなった言葉を、捜した。