#02 成しうる者
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「で、やらかしちゃったわけだ。」
「うん…公安局の仕事なんで、詳しいことは言えないけど。」
「よく分かんないけどさぁ、それは…アンタの役職に許されていることなんでしょう?」
今朝起きてから自分で自分に言い聞かせていたこととそっくり同じでも、やっぱり誰かに言ってもらえると少しほっとする。
「まぁ…ね……」
「じゃあ、そんなに気に病む必要ないじゃない。サイコパスだってそんなに曇ってないし……案外ホントは平気なんじゃないのぉ?」
悪戯っぽく眉を上げた佳織に、顔を顰める。
「ええ~そんなあ~夕べは全然眠れなかったのにぃ……」
「それだけ悩んでおいて、色相チェックはクリアカラーなんだもんねェ…朱は。」
「感情ケアなんてほとんどやってないくせに、すごいメンタル美人。アンタって何でそんなに健康でいられるのぉ?」
微妙に呆れが含まれているような口調に何と返したら良いのか困り、手つかずのケーキを引き寄せる。
「まぁその……鈍感なのかなぁ?」
「カミサマってホント不公平。」
「そうそう。」
「で、でもさあシビュラシステムを疑うわけじゃないけど、公安局のキャリアなんて私に向いてるのかなぁ…」
昨晩顔を合わせた先輩同僚のあの雰囲気、どう頑張っても自分はああはなれないと思う。
「かー、贅沢な悩みー!」
「天然でそういうコト言うかな全く!」
何も言えずに、顔を下げる。
「大体さぁ、朱ってば経済省や科学技術省の適正だってでてたのにそれ全部蹴って公安局選んだんでしょう?」
「あたしなんてC判定しか貰えなかったのにねェ…」
「いいじゃん、アンタ体動かす仕事は得意なんだから。私なんてSEよ?も肩こってしょうがないんだからぁ。」
自分の場合は肩じゃなくて精神の方がこりそうだなんて言ったらまた、怒られるのだろうか。