#14 あとは、沈黙。
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≪今回の2件が、藤間幸三郎による犯行ではないのではないかという疑念は、最初の…葛原沙月の遺体を見たときから抱いていました。≫
静かな声はただ透明で、そこからは何の感情も読み取ることはできない。
<…何だと?>
≪3年前の事件。当時の捜査資料を見ました。被害者の発見状況、使用された科学薬品。いずれもが3年前の再現と思える…けど、違う。二回続けて公園を選ぶなんて……ただ、目に付けば良い。なるべく多くの人間の、目に。…それだけで遺体の陳列場所を決めたんでしょう。彼なら…≫
画像を拡大して見たその姿に思わず、口元を緩める。
≪藤間なら…そんなことは、絶対にしない。≫
「柴田先生は、音楽がお好きなのですか?」
かけられた問いに勝手に笑みがすり替わるのを感じながら、椅子を回転させる。
「ええ、いつも新しいアーティストを探しています。」
伏せた携帯に指を、置いたまま。
「興味深い新人を見つけるのが、本当に楽しみで「きょ、教頭先生!」
かん高い声に、柔和な微笑が驚愕を浮かべて振り返る。
「がっ学園内から、生徒の死体が…!!」
「何ですって!?」
泡を食って駆け出す教師達の背を見送り、その足音が遠ざかっていくのを聞きながら、腰を下ろす。
起動させたプログラムに目を流して呼び出したのは、セキュリティルームのプロテクト画面。
さぁ
もっと手を伸ばして、探ってごらん。
そうすればもしかしたら、望むモノがその手に触れるかもしれない。
「僕は」
ここにいるよ。