#14 あとは、沈黙。
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高い天井から落ちてくる、冷えた空気。
据えられたタンクからは、中身の重量感はまるで感じられない。
「ちょっと」
走り寄ってきた六合塚さんにドミネーターをかざして見せ、顔を向ける。
『…偽装ホロです。すぐに一帯をスキャンして「佐々山!」
初めて呼ばれた名前に驚いて振り返ると、グレーがかった緑と正面から、そして近距離からぶつかる。
たじろぐ様に一瞬泳ぎかけたそれが踏み止まり、もう一度こちらを向くのをただ何もせず、見ていた。
「執行官より前に出ないで。貴女の足が速いのは分かってるし…苛立つのかもしれないけど、危険だわ。」
『……危険?』
「獲物を捕らえるのは猟犬である私達のすべきこと。貴女じゃない。」
『す、すいませ
強く、断定的な物言いにしかけた謝罪が、遮られる。
「そういうチームワークなのよ。」
「理解して」とまた、どこかで聞いたようなことのある台詞。
思わず浮かびかけた苦笑を引っ込め、頷く。
慎重な動作で歩みを再開したその後ろにつき、走る。
他方向から集まってきたメンバーと顔を合わせ、より広く高い空間へと足を踏み入れる。
瞬間ライトアップされた眼下に見えたものに喉が、鳴った。
「…あ…」
薄暗い光に照らし出されたその[作品]にはどう見ても、[二人分]が、使われていた。