#14 あとは、沈黙。
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「小娘一人探し出すこともできないってのは、どういうことだ!!」
セキュリティルームに響き渡る怒声はなんだか、久しぶりだ。
「ここ、出入りに対するセキュリティにばっかり厳重で…いざ中で隠れんぼとなるとザルもいいとこなんスよぉ。」
肩をすくめた縢くんの言葉に、映し出される校内各所のライブ映像を見やる。
「過去数日分の監視カメラの録画から、王陵璃華子の姿だけをピックアップできるか?」
「本部のラボに支援させれば、その程度の画像検索はすぐにでも。」
「やってくれ。」
顎を引いた六合塚さんが、スタッフの肩に手を置いて目で操作権の譲渡を促す。
「しかし、王陵牢一だと?そんな絵描きがいたなんてどうして分かった?」
責めるような口調に、「オリジナリティですよね」と、朱ちゃんの躊躇いがちな援護。
「狡噛さん。」
無言でモニターを見つめ続けるのを見て諦めたのは良いとして、その視線をこちらに向けるのは、どうかと思う。
「何だって?」
『今回の2件が、藤間幸三郎による犯行ではないのではないかという疑念は、最初の…葛原沙月の遺体を見たときから抱いていました。』
「…何だと?」
『3年前の事件。』
集めた視線を全て無視し、続ける。
『当時の捜査資料を見ました。被害者の発見状況、使用された科学薬品。いずれもが3年前の再現と思える…けど、違う。二回続けて公園を選ぶなんて……ただ、目に付けば良い。なるべく多くの人間の、目に。…それだけで遺体の陳列場所を決めたんでしょう。彼なら…』
犯罪者の心理を読もうとするな、という忠告の意味は分かる。
だがその闇の中に在るものを望むのであれば
『藤間なら…そんなことは、絶対にしない。』
先に在るその光をただ求めて、走るだけだ。