#14 あとは、沈黙。
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響いた悲鳴に顔を上げ、相変わらず重い雲の立ち込める外を見やる。
「……――あの馬鹿!」
悠々と中庭を横切っていくその姿に続く二人を認めて、舌打つ。
身を翻して階段を駆け下り、校舎へと入ろうとしているその前に出る。
無感動な瞳と正面から目を合わせた直後、「待って下さい!」と声がかかる。
まるで狡噛を守るように腕を広げた常守に眉を寄せ、見返す。
「生徒の中に、容疑者がいるんです。」
「はぁ?」
突拍子も無い台詞に思わず声を上げた自分の横で、するりと風が動く。
唖然としてその背中を見送り、視線を戻せば。
『ども』と笑顔でおざなりな挨拶をした佐々山も、又。
「おい、ちょっと待て!」
たたっと軽い足音を響かせて行くその背に、慌てて足を踏み出す。
「常守監視官!」
「は、はいっ」
同じように腕を振る常守が、視線を前に固定したまま律儀に応える。
それを見て、言いかけた言葉を飲み込んだのは
「………」
いつかの誰かを、そこに。