#14 あとは、沈黙。
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交わされる会話の内容に覚えるのは、極度の疲れ。
言わずもがな、精神的に。
「ま、とにかくここはいつだって処刑室に早代わりするわけさ。」
「…そんな…」
さっさと先を行く二つの背中に、慌てて止めていた足を踏み出す。
そうして隣に並んだ光ちゃんの視線を追って見たものに、なんとなくしにくい呼吸を、無理矢理にする。
「コイツ等は外に出られたとしても即刻ドミネーターに処刑宣告を喰らってミンチにされるだけの連中だ。」
番号と文字だけで表されたものでもそれは、間違いなく個人の情報だ。
「生きていられるだけ、檻の中の方がマシさ。」
『……かな?』
「え?」
『ううん、何でもない』と首を振ったその薄い背中がまた、ゆっくりと遠ざかっていく。
それがどうしてかひどく、嫌で。
また走るように足を動かして、その隣に並んだ。
ややあって一つの檻の前で足を止めた狡噛さんが、その拳で防弾ガラスを軽く叩く。
<あぁ~らワンコちゃん、お久しぶり。>
「随分と絵が増えた。さすがに背中は無理だろう。」
響く会話を聞きながら、視線を移す。
冴えた目で闇色を見つめる、その横顔に、祈る。
お願いだから
あんまり遠くへ、行かないで。