#14 あとは、沈黙。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「でも、こんな所にきて一体何を…?」
白で塗り込められた施設内を、目的の場所へ向かって歩く。
目が合った赤いスキャンから流した視界に入った横顔を見ながら、口を開く。
「…俺の直感が正しければ、今回の死体の加工にはきっと元ネタがある。だからその筋の専門家に話を聞く。」
バングルの認証コードをスキャンして間もなく、音もなく開くゲート。
左右にずらりと並んだ檻を眺めながら足を踏み出すその様は臆せずと言うより、どこか糸に引かれる人形の様に見えて。
「光ちゃん」
半瞬先に響いた声に振り返った顔を斜め上から、見下ろす。
『ん?』
「あ、ううん何でもない。」
微かに笑みを浮かべて首を振った常守に、瞳を瞬いた佐々山が口元を緩めた。
「この先は、犯罪係数300以上の重篤患者が隔離されている。」
『それでアレですか、もしかして、有事の際には通風孔から毒ガスが出ちゃったり?』
思わず足を止めると、無感動にこちらを見上げていた瞳が少しの失笑を混ぜて、逸れていく。
『ま、効率的かつ確実な処理方ですね。』
「……計測値虚偽申告は即降格処分対象だぞ。数値はどうあれ、な。」
「こ、狡噛さん!」
非難を含んだ常守の声に、苦笑する。
「冗談だ。」
『全然面白くないです。』
「光ちゃん!!」