#14 あとは、沈黙。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「薬剤の分析結果からも、3年前と同一犯との可能性が高まったとしか…」
表示されたデータを見ながらそう口にし、密かに煙を避ける。
光ちゃんではないが、さすがにやっぱり、好き好んで有害物質を吸い込みたくは無い。
「俺は全く逆の可能性を抱いた。」
「!」
思わず視線を移す、と何故か嫌な顔をされた。
「ああ、3年前の事件だと…例えばコイツだ。」
気の無さそうにくるくると回転椅子を回転させるのを見ながら、差し出された古びたプリントアウトを受け取る。
「犠牲者の一人、汚職疑惑のかかった衆院議員でな…犯罪係数の虚偽申告も疑われたが再計測を拒否。マスコミや野党の追及を、記憶にございませんとか、カビの生えた言葉で切り抜けようとした…それが死体で発見された。」
…煙か。
これが嫌だったのか。
「頭蓋骨が綺麗にカットされて、脳がすっぽりくり貫かれた状態でな。被害者の肛門には記憶について重要な働きをするとされる脳のパーツ、海馬が突っ込ま……」
驚いてこちらを見上げる顔は、ずいぶんと子どもっぽく
『ご丁寧なご説明、どうもありがとうございます。』
腰に手をあてたそのこめかみが、引き攣る。
ファイルで扇がれ、逃げるように散っていく霞。
『あー最悪、最っ悪!』
不機嫌さを露にするその顔は、かなり、怖かった。