#14 あとは、沈黙。
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「ん~…迷うけど、やっぱり"Dearest"かなあ。」
『あ、同じ同じ!あのNOAH様本当、麗しすぎるよね~。』
「私あんまりミーハーじゃないつもりだったんだけど、初回限定版予約しちゃったなーあの時ばかりは。すっごかったよねぇ人気。雑誌も買ったしライブも行ったし…なんだかんだ結構つぎ込んだ気がする…。」
『湾岸のやつ?アングラ配信で見たけど…あの中にいたんだ朱ちゃん。よく生きてたね。』
苦笑混じりの言葉を、椅子の背が鳴る音が追いかける。
「そうそう。でも冗談じゃなく何回か死ぬ思いしたよー。すごい人で…ちょうどEVAの1stアルバムも出てたし…あのカバーのドレスで出てきたんだよ最後。」
『嘘!あのオールブラックのコルセットみたいなやつ!?』
「それそれ!なんかもう同じ人間なのかなこの人って。」
「………」
かしましい、という形容詞が久しぶりに浮かぶ。
目の前の煙草に手を伸ばした時。
「あ、やっぱり事件の情報。唐之杜さんの仕業ですね。」
画面を覗き込む常守から身を引き、爪に息を吹きかけているその顔に目を向ける。
『あ、どうぞご遠慮なくー?』
「………」
『肺は真っ黒、お先は真っ暗ー』という棒読みに眉を顰めながら火を点け、やっと一息吐く。
『ニコチン中毒者は辛いですねー。』
「どう思う、アンタも目を通してはいるんだろ?」
「どうって言われても……」