#14 あとは、沈黙。
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『渋谷区代官山…遺体は全寮制女子高等教育機関、桜霜学園第2学年在籍…葛原沙月。』
まるで貴重な宝物を見せびらかすように、ピンク色に塗られた腕に抱えられた、少女の生首。
『そして同じく桜霜学園生徒…山口、昌美。』
ともすれば意識さえ犯されそうな、悪意。
画面をスクロールしながらわざわざ声に出して確認したのは、それに対するガードでもある。
「2件目なんて…しかもまた同じ学園の生徒…」
ハンドルを握る朱ちゃんを見てスイッチを切り、シートに身を埋める。
『同じ手口、同じ展示場所…容疑者は元教諭の藤間幸三郎の可能性が、濃厚?』
「……プラスティネーションに使われてる樹脂の成分は3年前の物と全く同じだって話だし…被害者を殺して街中に展示するってやり方も一緒だし。」
「そうなんじゃないのかな、やっぱり」と続いた言葉に目を閉じ、知らず眉が寄った。
『…なんっかなー…』
「え?」
闇に眺めるのは、3年前の彼の[作品]たち。
バラバラにされ、新たに組み上げられた[ヒト]だったもの。
『…違う気が…』
「違うって、何が?」
感じた視線に目を開け、横向く。
『上手く言えないんだけど…』
「うん。」
前を気にしながらもこちらに向けられる大きな瞳を、見返す。
『なんか、違くない?』