#13 紫蘭の花言葉
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『知ってます?』
自身の手元に向けられていた目が、上がる。
『拉致監禁て犯罪行為。』
「ここで待ってろと言われたろ。」
「常守に」と続いた言葉と本気の怒りを宿した目につい先ほどまで続いていた押し問答を思い出し、ため息を吐く。
『………。』
心配してもらえるのは嬉しい。
嬉しいが、まさかこのまま一生家に帰るなとでも言うつもりだろうか。
「というかこの場合、正しいのは軟禁だな。」と煙草を取り出そうとするのを見て、手元の灰皿を引き寄せる。
『あちらでどうぞ。』
にこやかに口にしながら別室を指し示すと浮かぶ、人を小馬鹿にするような笑み。
「俺がお前のことを信じてると思うか?目を離したが最後、逃亡するに決まっている。」
『逃亡って…犯罪者か何かですか私は。』
言っている間に出来た焼きうどんをお皿に盛り、換気扇のスイッチを入れる。
「……もっと色気のあるもん作れな『自分の信用を失うような単語は慎んだ方がいいですよ。』
『そもそも狡噛さんの冷蔵庫の中身が色気無かったからこうなってるんでしょ。てかご飯なら食堂行けばいいじゃないですか。』
「飽きんだよ、毎日食ってると。」とまだフライパンの上の出汁巻きを口に運んだその目が、瞬く。
『…何ですか。』
「いや、旨いなと思って…驚いた。」
『………』
「照れると髪に触るの、癖か。」
『~ち、違…っ――てか!普通のテンションでそういうこと言うの止めてもらえます!?』