#13 紫蘭の花言葉
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膝についた手に顔を埋めてしまった狡噛さんの姿が、透明な膜の向こうで、揺らいだ。
――ここで何もしなかったら、俺自身が終わっちまう
直接、その声を今、聞いたような気がして。
今まで自分のしてきたその全てが間違いではなかったと、確信する。
「……行かせたのは俺だ。引き金を、引けなかったのは……」
上げられた顔に微笑んで指先に少しだけ、力を込めた。
同じ様に。
朱ちゃんが、してくれたみたいに。
小さく見開かれた狭間の色が、揺らぐ。
「………[マキシマ]。……最後に、通信が途切れる前に、アイツは確かにそう言っていた。そいつの行く先に藤間がいる。そいつが、藤間の犯行を手引きしている、と。」
『………[マキシマ]………』
その名前を紡ぎながら無意識に落とした目に映る、重ねた手。
『彼は私達に…公安に自身の身元が割れるのを恐れてはいないんでしょうね。寧ろ、それを望んでさえいるのかも。』
「何?」
『さっき話しましたよね。御堂将剛……エグゾゼで張り込みをかけたあの日、彼を追っている途中で[マキシマ]に会ったと。』
記憶に残された、碧の欠片。
ひとつ残らず拾い集めればきっと、必ず。
『………狡噛さんが向かってくる足音を聞いてすぐに、立ち去って。けどその時…』
――いずれ、また
瞬間下になっていた手の暖かさが消え、逆に奪うようにして腕を取られる。
『……こ、狡噛さ…ん……?』