#13 紫蘭の花言葉
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暗く、確かな光を宿した瞳を思い出しながら、足を組みかえる。
「その結果、ベッドから起き上がることもない生きた死体に成り果てたと…。」
「父を慕う娘からしてみれば、許し難い話でしょうねぇ。王陵牢一は二度殺されたようなものです…まずは科学技術によって才能を殺され、そして、社会によって魂を殺された。」
「つまり、その少女の犯行の動機は父親の復讐…かね?」
先の人類の退化を嘆く懐古に満ちた口調といい、今のひどく人間らしい思考方と単語の羅列。
この男の在り方を考えるとそれはひどくおかしくて同時に、とても納得のいくものだ。
「さて、どうでしょう。」
椅子の背に頭を預け、目を閉じる。
「願わくば、さらに向こう側の意義を見出して欲しいものですが……。」
その闇に突如として浮かび上がった、女。
この都市の夜を呼吸するかの様な薄い、薄い色をした、瞳。
そこに映り込んでいる自分が気になって
……この街にパスカルを読む人がいるなんて、意外
邪魔をして
よく思い出せない。
こんな事は、初めてなんだ。