#13 紫蘭の花言葉
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「佐々山が撮った写真がある。」
「ひどくピンボケだがな」と言いながら佐々山に渡した写真を、横から常守が覗き込む。
「これは…」
「佐々山の使ってた端末に保存されていた。」
この3年間、見つめ続けてきた。
人混みに浮き上がるかのような、銀髪。
「この男……名前とかは。」
「画像ファイルのタイトルは、[マキシマ]だった。」
常守の問いに答えて初めて、すぐ隣から漂う異様な気配に気づく。
佐々山の大きな瞳は零れんばかりに見開かれ、蒼白な顔の中でさらに色を失った唇からは、浅い呼気が断続して漏れている。
「ひ、光ちゃ…?」
呼びかけに反応しないのを見て眉を寄せ、力ないその腕を掴んだ。
「佐々山」
びくりと身体全体を震わせてこちらを向いたその表情に
『……わ…たし……』
全身の血が、下がっていく。
『……会ってます……』
「「!?」」
頭を殴りつけられたような衝撃に、声も出ない。
『5年前……扇島で…』
――マキシマ!
奇妙に反響する佐々山の声が、過去から明確な意思を秘めて、届く。
『この男に』