#13 紫蘭の花言葉
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「苦しいだけが人生だって。」
音が鳴るほど握られた拳に、目を伏せる。
そうしたのも
瞼の裏が少しだけ熱を帯びたのも、哀しいからじゃない。
「それをしでかした奴を同じ目に合わせてやりたいと…いつからかそんな風に思うようになった時点で、監視官としての俺はもう終わってた。」
『……後悔は、ありませんか?』
「自分の行動に後悔はない。」
そうじゃ、ないんだってことを
私は
「問題は、未解決なこと。この一点に尽きる。」
「三年前、藤間幸三郎に手を貸した共犯者…今でも使えそうな手がかりは何かありますか?」
「ああ。」
頷いて踵を返したその背中に。
「……光ちゃん……?」
重ねられた手に緩みそうになった目を、なんとか堪える。
それがあまり上手くいかなかったことは、その顔を見てすぐに知れたけれど
「………」
伝わる温もりを返すことは、できるから。
『ありがとう。』
絶対に、できるから。