「捜査から外されちゃいましたね。」



声だけでなく顔まで落とした朱ちゃんを見て、狡噛さんに顔を向ける。



ややあって返された笑みは、やっぱりまだまだ、歪だったけれど



『しょーがないよ。』



その瞳には間違いなく、私自身が映っている。



「…あんまりギノを困らせてもな。」



『えー？私は宜野座さんの困った顔好きですよー。』



それが結構、嬉しかった。



「…あまりからかってやるなと言ったろう。」



『本人には言ってないですって』と応えて見た朱ちゃんに、片目を瞑ってみせる。



『やり方はあるよ。それに何と言っても私達には、頼もしーい先輩がついてますから。』



「思ってもないことを言うな。」



「あ、わ私は思ってますっ、ちょっと！」



力いっぱい言う朱ちゃんに目を瞬かせるその様を見て、思わず声に出して笑ってしまった。



『ちょっとってまた…リアルだねー。』



「えっ、思ってるよ本当に！」



『でもちょっとなんでしょ？』



「う…」と声を詰まらせて気まずそうに狡噛さんを見上げる朱ちゃんに、悪戯心がかなりそそられる。



『それって大部分は「佐々山」



「その辺にしとけ。」