#13 紫蘭の花言葉
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些細な表情の変化で、こうも容易くその思考の彷徨い方が察せられるのは、何故なんだろう。
解らないままに向けた佐々山の顔を見て、多分また同じように、出口を見出す。
俺達は、とても
似ているか或いは、似ていた。
「過去の部下を殺された事件のことで?3年も経つのに解決できてない事件のことで?」
だからこうして何も知らないようなフリをして、言葉を続ける。
「…怒らないさ。」
だからこうして、背を向けてしまう。
「俺が怒るとすれば、その対象は自分自身以外有り得ない。」
視線を感じながらそれでも口を開いたのも、多分。
「あの事件…藤間幸三郎の後ろで糸を引いていた黒幕に、俺は掠ることすらできなかった。」
『今回の事件も、同じ人物が関与していると思いますか?』
静かな声に振り向いて、その瞳を真っ直ぐに見返す。
「まだ分からない。ただの手の込んだだけの模倣犯という可能性もある。」
そこに
映り込む影でもなく、自分でもなく
「だが、調べる価値があるのは間違いない。」
彼女自身を、見出すために。
見つけるために。