#13 紫蘭の花言葉
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「ドミネーターほど強力な武器が支給されているのに、ここまで過剰な戦闘訓練が必要なんですか?」
「必要だ。強くて優れた武器を扱うからこそ、その使い手はより強くタフでなきゃいけない。」
前から聞こえてくる会話に息を吐き、横目で窓外を見やる。
「相手を殺すのはドミネーターじゃない。この俺だと、それを肝に銘じておくためにも…ここにちゃんと痛みを感じておかないとな。」
マゾ?などと反射的に思いつつも、その言い分は分かるような気がした。
とは言え、まだあの銃で人を殺したことのない自分には解るわけがないのだが。
でももしかしたら、いつかは。
「それって、私…達に対する教訓ですか?」
朱ちゃんを見下ろした狡噛さんが次いで、こちらを向く。
「アンタらにドミネーターを撃たせるような状況は、願い下げだぜ。」
思わず片眉を上げるとその口の端が、上がる。
「特にお前には」と言って前を向くのに足を早め、その隣に並んで顔を出す。
『ねー朱ちゃーん、本当に行くのー?』
「じゃんけん負けたじゃん光ちゃん。」
『……そーだけどさぁー。』
その指摘に一旦前を向いて再び口を開こうとすると、骨ばった手の甲が頬に触れる。
『なっにすんですかっ』
まるで犬猫をあしらうようなぞんざいな手つき。
無言で歩を進める横顔を睨みつけた時聞こえてきた、控えめな笑い声に。
「…ごめん。」