#13 紫蘭の花言葉
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ホロを弾いて映像メディアを選び始めるのを横目で見て、視線を戻す。
「ああ。それでもパラライザーで撃たれれば気絶する、ただのヤワな人間だ。」
「う…」と顔を顰めた常守が、ジジッと鈍い音をあげるドローンに目を落とす。
「後で絶対に管財課から怒られますよぉ。」
「ダサ過ぎんだよこのシステムが。」
棚に歩み寄り1本銜える。
ライターの火を、近づけた、まさにその時。
『発がん性の高いジメチルメトロソラミンは主流煙が5.3から43ナノグラムであるのに対し副流煙では680から823ナノグラムキノリンの副流煙に至っては主流煙の11倍およそ18000ナノグラム。』
思わず舌打ちして見るが、その目は投影されるアニメからちらとも動かない。
構わないことに決め、目を白黒させてうろたえる常守に背を向けて一息吐く。
『朱ちゃんすぐにそこから離れて。』
「う、ええ?」
「………。」
吸い終わる頃になって『朱ちゃーん』と遠くから響く、間延びした声。
『暇だから仮眠室行ってくるねー。』
「ええっ、いやちょっと!光ちゃんっ」
『あ、女の子だからホント、体は大事にね。じゃー』
「ちょっ、待っ」
「………。」
喫煙者に、人権はないのか。