#13 紫蘭の花言葉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ま、待って下さい狡噛さん!」
足を止めて振り向くと、常守が膝に手をやって息を整えた。
「宿舎で…待機っ、て……」
「………。」
歩みを再開した背中に再びかかった静止の声に息を吐き、ポケットの煙草を取り出す。
「これを取りに、行くだけだ。」
それだけ言って一係室内に入り、デスクの引き出しを開けて用を済ます。
まだ後をついてくるのに振り向いた時、通路の向こうからやってくる人影に気づく。
『おはよーございまーす。何してんですかこんなとこでー?』
オレンジジュース片手に見上げてくるのに何と答えれば良いのか迷っていると、常守が口を開く。
「ひ、光ちゃん。」
未だ息の荒い同期を向いた目が、きょとんと瞬く。
「今日は、私と…狡噛さんと一緒にいて?」
『え?何で?』
「えっ、と」と言葉に詰まる常守を見て、口を開く。
「俺とお前は、今回捜査から外された。」
『は?』
眉根を寄せて不審を露にした佐々山が、そのままの顔で足の向きを変える。
『…あー……ええと意味がわからないんで、とりあえず宜野座さ「必要ない。」
「理解しろ。」
『……いやいやいやいや…無理です。』
険を孕んだ最後の言葉に、常守のため息が、床に落ちた。