#12 3GUNS
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視力の再生も可能なこの時代にあって、眼鏡は、もうアクセサリーとしての役割しか持っていない。
俺がかけているこれも視力補正の機能を持たない、いわゆる伊達眼鏡だ。
だが、俺がこうして眼鏡をかけているのは決してファッションのためだけではない――ある意味、世界との接点であるそれを、常に曇りなく清潔に保つよう心がけることで同時に、自分自身のサイコパスも健全な状態に維持できるような気が『すみませーん遅れましたー。』
思わず眉根を寄せて顔を上げると、佐々山と狡噛が肩を並べて入ってくる。
「…遅いぞ。」
「スマン。管財課で志恩に出くわして、証拠品倉庫の整理をやらされていた。」
舌打ちを堪え、それぞれデスクに向かうのを見やる。
「ずいぶんスーツが汚れているな。」
『もー倉庫がひどい有様で…あ、コミッサちゃんはちゃんと返せましたから。』
二人してパンパンと肩を払うのに眉を上げ、引き出しを開ける。
「それよりギノ、事件の概要を「待て。」
「眼鏡のガラスに埃がついた…それを拭いてからだ。」
「…神経質だな。」
「この程度の埃で」と続けた狡噛が首を回すのを見ながら、手を動かす。
「眼鏡の汚れを放置することは、サイコパスを曇らせることにも繋がる。すでに犯罪係数が超えているお前らには、関係ないことかもしれんがな。」
『や、私は超えてないです。』
「………」
「早く眼鏡を綺麗にしろ。」