#01 犯罪係数
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倒れ掛かってきた長身を抱きとめることは当然できず、もろとも灯油の海に沈む。
『……った…』
まともに打ち付けた腰に奥歯を噛み締めながら、上になっている身体を退かす。
完全に気絶している姿に目を伏せ、その先でへたり込んでいる朱ちゃんを見やる。
ああ、本当に――
火の点く音に力なく振り向き、手を伸ばす。
『もう止めたよ…だから大丈夫……大丈夫だから。』
両手で包み込んだ掌に奔った灼熱に歯を合わせて、悲鳴を飲み込む。
腫れ上がった顔に滲み出す、限りなく純度の高い、笑み。
ちょっとさすがに
『ね……?』
いくら何でもこれは、想像以上だ。
<対象の脅威判定が、更新されました。執行モード、ノンリーサル・パラライザー。落ち着いて照準を定め、対象を制圧して下さい。>
降ってきた音声に顔を上向けた瞬間眼前を通過した、青い光。
倒れていく身体、跳ねて顔にかかる飛沫までもがひどく、ゆっくりで。
再び上げた視線に、銃口がゆっくりと下げられていく。
「常守監視官…佐々山監視官。君達の状況判断については、報告書できっちりと説明してもらう。」
思わず睨みつけた瞳はどこまでも、冷たい。
「こりゃあ…とんでもない新人が来ちまったもんだなぁ……」