#11 パンドラの箱
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「おお、風情があっていーい風呂だ。」
引き戸を額にして広がった絵に、思わず目を細める。
檜の豊かな匂いに混じる、夜の風の匂い。
久しぶりに羽を伸ばせそうだ。
「…どれかけ湯で体を洗って、と。露天もあるようだが、とりあえず内風呂で体を暖めようや。」
「そうだな」と応えるコウを後ろに、一番近くにある風呂に足をつける。
「ん゙……これは、なかなか…い゙っ……く」
暫しの格闘の末に肩までつかり、口を開く。
「ふぅ、こいつはなかなか根性がいるぜコウ。覚悟決めて入れぇ?」
「風呂へ入るくらいで大げさだなぁ。」
余裕の笑みを浮かべて足を伸ばすのを、少々意地悪い思いで見守る。
「あっつ!」
『うあっつ!』
響いた声に、背後の壁を見やる。
「…光ちゃんかぁ?」
「お、おいとっつあん!」
驚いたように目を見開いたコウを振り仰ぎ、また顔を戻す。
『はいっ、てかお湯めっちゃ熱いんですけどっ』
「ははっこっちも同じだぁ」