#11 パンドラの箱
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その日、俺達刑事課一係は[カエル急便連続不審物事件]捜査のため、東京から離れ関東近県の中山間地へとやってき『泊り込みの出張捜査とか、今時珍しすぎじゃないですかー?』
「………」
覆面パトカーの助手席で上機嫌で私物携帯をいじる佐々山に、ギノが険悪な表情を向ける。
「おい、移動中とはいえ勤務中だぞ。」
『それを言うならー出張とはいえ温泉旅館ですよー、ですー!』
『何年振りだろ温泉なんてー』と間延びした声に目を伏せ、口を開く。
「…緊張感てやつが欠けているんじゃないのか?」
「まーそう言うなコウ。俺達デカは、市民のために日々身を粉にして働いてるんだ。このくらいのボーナスは許されるさぁ。」
『ですよねー。さすが征陸さん。』
シートの上で身を捻った佐々山がとっつあんに笑いかけ、こちらに勝ち誇ったような顔を向ける。
「何だその顔は。」
『いえ別に?』
「佐々山、いい加減にしろ。ちゃんと座れ。」
AIに指示を出し終えたギノの辟易したような声に、隣から微かな苦笑が響く。
『はぁーい。』
渋々といった様子で前に向き直るのに同じような笑いを唇に浮かせ、窓外を見やった。