#01 犯罪係数
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頭から血液を被った女の絶叫が辺りを満たし、反響する。
「ハウンドthree、執行完了。」
階段を昇りながらそう言って目をやると、やや棘を含んだ視線とかち合う。
「年寄りと新米を囮にするたぁ、いい根性してんなあ。ええ?コウ。」
「…給料分の仕事だろ、とっつあん。」
大蔵の手がすがりついたままのドミネーターを拾い上げたその横を、新人が小走りに駆け抜ける。
「公安局です。もう大丈夫、安心して下さい。」
武器を胸に抱えて膝をつくと、女が赤を蹴るようにして後ずさった。
「お、落ち着いて、貴女を助けに来たのよ!」
「や…やめて……やめて…」
落ちた影に振り向いたその顔が、凍りつく。
「ま、征陸さん…?」
「お譲ちゃん、銃で確かめてみろ。」
わけが分からないといった様子で、危なっかしげにドミネーターを掲げる新人の顔に驚愕が浮かび上がる。
<犯罪係数、オーバー160。執行対象です。>
「まあ…仕方ないわな。」
二人分の悲鳴が響き渡り、とっつあんが動揺を露によろめいた。
「なっ、何をする!」
「あの人は保護対象です!」
「そのためのパラライザーだろうが!今すぐ眠らせて確保するんだ!!」
「彼女は混乱してるだけです!!そんな乱暴なことしなくても――」
懇願を含んだ必死の訴えを後ろに、足を、踏み出した。