#10 Plastic Beautiful World
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「………」
彩られていく自分の指先を見つめる顔はやっぱり、似ていない。
でも
『………』
子どもみたいに何か突拍子もなく、勝手に、ひたむきに自身の興味に身を委ねている様は
とても。
「…出来ました。」
無言で指先を揃え、光にあてた大きな瞳が、幾度か瞬く。
『……綺麗……』
ぽつんと零れた他意のない感想に僅かに口元が、緩む。
「監視官の爪、元々綺麗だから。」
角度を変えたり、ひっくり返したりしていた明るい色に自分が、映り込む。
「丁度良い感じに細くて、長くて。塗りやすい。」
不思議と悪い気は、しない。
『……そう、ですか……』
「はい。」
膝に手を置いて頷き、蓋を閉めたボトルを定位置に戻す。
この間雑誌で見た新商品を試してみようかと思いながら椅子に座りなおすと『六合塚さん』と声がかかり、横向く。
ああ
ふわりと柔らかな笑みはやっぱりどこか、少し滑稽なくらい澄んでいて。
『ありがとうございます。』
とても
「…いいえ。」
似合っている。
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