#10 Plastic Beautiful World
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『この間の時は、征陸さんがやってくれたんです。それで狡噛さんが…これでひとつ利口になったななんて言われたけど、あんまりスマートな手段じゃないですよね。』
少しだけ選んで言葉を紡ぎながら、向かいでカップに口をつける六合塚さんを窺う。
「そうですね。」
『………』
伏せ気味にした緑がかった目はやっぱり、いじっているのだろうか。
『………あの』
遠慮がないとも言えそうなくらいに真っ直ぐ向けられた眼差しに怯みながら、口を開く。
『その目ってカラコンかなんかですか…?』
「いえ、学生時代にレーザー手術を。」
『へぇー、そうなんですか…!』
「はい。」
こくりと頷いてカップに口をつけるのを見守ってみるがまた、その目がまた伏せ気味にされて、落ち着いてしまう。
『………』
とりあえず、紅茶は不味くなかったようだ。
それなら良いかと思い席を立とうとした時、視界の隅に鮮やかな色が映る。
白一色のジュエリースタンドに飾られたコスメの数は多くはないが、だからこそどれも、柔らかく輝いて見えた。
その中で一際目を惹く、繊細な装飾の施されたマニキュアボトル。
確か、旧時代から続く老舗ブランドの定番色だ。
それが少し意外なようにも反対にらしいようにも、思えた。
「それ、お気に入りなの。」