#10 Plastic Beautiful World
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「………」
後部席で完全に酔い潰れているギノに息を吐き、顔を前に戻す。
『狡噛さんも辛かったら、休んで下さい。』
「いや…大丈夫だ。」
からかうような表情がこちらに向けられたのを感じながら、後頭部で腕を組む。
『そういうことに、しときます。』
「……そういうことに、しとていくれ。」
ややあってしんと落ちた沈黙に、隣を窺う。
微かに笑みを残した目元と、唇にかかる、緩く巻かれた長い髪。
ややキツめの顔立ちを隠すための普段の髪型らしいが、こうやって今みたいにおろしている横顔の方がむしろしなやかに柔らかく見えた。
と、突然こちらを向いた瞳を、見返す。
「なんだ。」
『…いや……何、って……』
奇異なモノでも見るような眼差しに瞬いた目に初めて、その髪を弄んでいる自分の指先が映る。
「………やっぱ、酔ってるのか、俺………?」
『みたいですね。』
「………寝ていた方が、良さそうだな………?」
『そう、ですね。』
残念だが、仕方ない。