#10 Plastic Beautiful World
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『さっきから気になってるんですけど…』
「なんだ。」
順調に進む高速道路を行く、二台の覆面パトカー。
先を行く宜野座さんの方の助手席には、六合塚さんのしゃんと伸ばした背中が見える。
そしてこちらの助手席には、シートに深く背を預け、銜えタバコの狡噛さん。
そしてさらにその上着のポケットには――
『そのスピリタスは一体。』
指差して問うと閉じられていた瞼が上がり、その目がこちらを向く。
「今回の相手はホロ・クラッキングを得意とする犯罪者だ。」
やや居心地悪そうに目を伏せて口からタバコを放すのを見て、ああと前へ向き直る。
話している相手の顔を食い入るように見つめてしまうのは、自分の癖だ。
「違法ホログラム対策には強い酒が一番…御堂の時にとっつあんが証明したろ。」
『それは、はい…勉強しましたけど。』
今のご時勢、本物のお酒を入手するにはかなり手間がかかると言うのに。
日本人の美徳、[勿体ない]精神はどこへ。
再び車内を支配した沈黙に息を吐いた時、「こっちも気になってるんだが」と感情の薄い声が流れる。
『何でしょう。』
「その頭、今日も寝坊か。」
思わず髪に手をやり、その横顔を睨む。
『~だったらなんなんですか?』
「……いや。」