#01 犯罪係数
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「今時の若いモンはストレスに耐性がないから、暴力衝動や強迫観念の影響を受けやすい。」
「わ、私そのテーマで論文書きました。」
「言っとくが明日は我が身だぞ、お譲ちゃん。」
狭い箱の中で元々乏しかった照明が落ち、速度が増したような感覚に捕らわれる。
「そもそも俺達が、なんで執行官なんぞにされたのかと――
開いたドアに、途切れた言葉。
視界を横切っていく歪なシルエットに、息を呑んだ。
コートを翻して行くその背を追って、駆け出す。
「止まれ!」
「くっ、くるなあああっ!」
歯を剥きだして叫ぶその様に、いつの間にか銃口が下がっていることにすら、気づかない。
「銃を捨てろおおおあ!!」
ゆっくりと銃を下ろした征陸さんに続くように、腰を低くする。
鈍い光沢を放つ床を滑っていく銃ではなく、目を血走らせて興奮しきった大蔵に視線がおのずと固定される。
「下がれェ」
調子のズれた笑い声を上げるその手が銃把を、掴んだ。
「死ねェ――…あ、ああ゙!?なっ何だコレェええっ!!?」
視界の端に人影を、捉えた瞬間
「ご愁傷様。」
その腕を貫いた線が、被弾した部分から体組織を急速に変質させ膨れ上がらせる。
夜空を割った断末魔よりも、そのすぐ後に続いた湿った音の方が耳に、痛かった。