#09 メビウスの輪
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返事を待たずに椅子を引き、トレイを置く。
『天蕎麦ですかー?』
屈託の無い笑顔に、能天気な声。
見事に断ち切られて忘れ
「カレーうどんと迷ったが、今日はこれからまた、一働きすることになるような気がしてな。」
そうしてまた、置き去りにされる。
一体幾度それは、繰り返されてきたのだろうか。
でも
――一人でご飯食べるのは、あまり好きじゃなくて
『…聞きたくなかったんですけど。そんな不吉な勝手な予想…』
嫌そうに顔を歪めるのに口元だけで笑って目を伏せ、箸を折る。
「根拠のないわけじゃあない。お前と俺が当直勤務の日は、他の奴の時に比べて事件の起こる確率が高い。」
「何故か」と付け加え、天ぷらを口に運んだ。
『…日頃の行いのせいじゃないですか?』
「……自覚あるのか。」
『え?いや、私じゃなくて。』
心底驚いたような声に箸を止め、顔を上げる。
「あるわけないだろう。」